失業した時にはどーする?任意売却

■その失業は「自己都合」か「会社都合」か?
完全失業者の急増が大きな社会問題となっています。これまで長年勤めてきた会社であっても、いつ業績が悪化し、雇用調整、リストラなどによってあなたが退職勧告を受ける事態になるかもしれません。
退職や失業をしたときに、それが「自己都合」なのか「会社都合」なのかによって、その後の生活再建の方向性が大きく変わることもあります。住宅ローンを抱えていれば、そのままマイホームを維持できるのかどうかにも少なからず影響を及ぼすことになるでしょう。
退職金については、それぞれの会社によって規定が異なるため一概に論じることはできませんが、総務省人事・恩給局が実施した「平成13年民間企業退職金実態調査」の結果をみると、勤続20年の場合では「会社都合」による退職金の平均が1,467万円なのに対し、「自己都合」では567万円と、900万円もの差がついています。勤続30年の場合では「会社都合」が2,785万円、「自己都合」が1,419万円で、その差は1,300万円弱にも拡大しています。
一方、雇用保険の給付(失業給付)については、勤続20年以上で45歳以上60歳未満の場合、「会社都合」なら1週間ほど待てばすぐに給付が開始され、給付期間も330日となっています。これに対して「自己都合」のときは実際の給付開始までに4か月程度かかるうえに、給付期間は150日で、「会社都合」のときの半分にも満たない期間です。
業績悪化あるいは倒産によって会社の資産が底をついていれば、いくら「会社都合」でも思うように退職金が出ないこともあるでしょうが、再就職できなければもらえるはずの雇用保険の給付でも、「自己都合」か「会社都合」かによって大きな差が出るのです。

■ハローワークの活用を!
ハローワーク(公共職業安定所)は、単に新しい仕事を探すためだけのところではありません。雇用保険の給付に関する事務も取り扱っており、離職理由が「自己都合」なのか「会社都合」なのかを最終的に判断するのもハローワークなのです。
中小企業の場合には、求人にかかわる助成金の問題、あるいはハローワークとの関係などにより、「会社都合」による退職者はあまり多く出したくありません。そのため、本当は「会社都合」であっても「自己都合」の退職にさせようとするケースも往々にして考えられます。
会社からいきなり退職を迫られ、混乱してよく分からないままに「自己都合の退職届」を書いてしまうこともあるでしょうが、それを書いたからといって簡単にあきらめる必要もありません。
離職直前3か月間の時間外労働の状況(連続して月45時間を超える等)、人事の問題(長年慣れた職種からいきなりの配転等)、職場環境の問題(上司や同僚からの嫌がらせ等)などの事実が認められれば、ハローワークの判断により「会社都合」の離職として扱ってもらえる可能性もあります。
まったく証拠がなければ離職理由をくつがえすことは難しいでしょうが、自分だけの判断で泣き寝入りすることなく、ハローワークに対してはしっかりと異議を主張するべきです。
もちろん、新しい仕事をなるべく早く見つけることも重要です。求人誌や求人WEBサイトだけでなく、ハローワークも十分に活用しましょう。

■失業しても住宅ローンを払い続けられますか?
当面の生活に支障がないだけの退職金を受け取ることができれば、焦って行動を起こす必要はありません。じっくりと次の仕事を探せば良いですし、十分に余裕があれば退職金の一部を住宅ローンの返済に充てても構わないでしょう。
しかし、現実には退職金の額が少なかったり、退職金そのものを受け取ることができなかったり・・・。雇用保険の給付だけでは住宅ローンの返済に支障をきたすことも多いでしょう。ましてや「自己都合」の退職であれば、しばらくは無収入の状態になりかねません。
次の仕事がうまく見つかったとしても、就職してから1回目の給料を受け取るまでに1か月以上あいてしまうことも多く、また、それ以前の問題として、いままでどおりに住宅ローンの返済ができる給与水準の職を得られるかどうかも分かりません。いつまでも次の仕事が見つからなければ、間違いなく「住宅ローン破綻」の事態へ陥ることになります。
せっかく購入したマイホームを、がんばって維持することは大切です。でも、住宅ローンの穴埋めをするために別のところから高利の借金をすることは、絶対に避けなければなりません。住宅ローンよりも金利の高い他の借金を増やすくらいなら、早期に任意売却をして生活の再建を図るほうがどれほど良いでしょう。

1度でも住宅ローンの返済が滞れば、金利の優遇措置などが取り消されることにもなりかねませんが、それよりもまず失業などによる収入減に直面したときには、住宅ローンを借りている金融機関に相談をすることが先決です。最近の社会情勢により、金融機関も以前に比べればかなり柔軟な姿勢で相談に応じてくれるケースが多いようです。

それでも、住宅ローンの債務(元金)自体が減免されるわけではありませんから、金融機関が返済期間延長などの条件変更に応じ、毎月の返済額を減らせたとしても、そのぶん総返済額は増えることになります。
次の仕事を早く見つけられるメドがあれば、金融機関との相談や交渉によって何とか苦境を乗り切ることもできるでしょう。しかし何のメドも立たないままなら、あと1か月、あと1か月とがんばることで、かえって傷口を大きくしてしまうことも十分にあり得ます。
自分の置かれた状況を冷静に分析して、深刻な状況へ陥る前に任意売却を決断することも大切な選択肢のひとつです。

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